シューティングは死んだのか? (2004.9.20)

 この間レディアント・シルバーガンのサウンドトラックを買って、そのライナーノーツを読んで驚いた。前に、このまま弾幕シューティングばかりになってしまったら、シューティングは死んでしまう、という事を書いた。

 ライナーノーツには、「シューティングは死んだのかー!?」とか言いながらレディアント・シルバーガンをなんとかして作ろうと、企画書を持ってあちこちのメーカーをまわる苦労が書かれていた。(企画を進めていたが、そのディレクターがいた会社がつぶれてしまったのだ。)どのメーカーもシューティングと聞いただけで顔をしかめるのだという。

 レディアント・シルバーガンというのはだいぶ前にトレジャーから出たシューティングで、このサントラのライナーノーツが書かれたのが1998年。そんな昔にすでに「シューティングは死んだのかー!?」と言われていたわけだ。

 最近のシューティングでぱっと思いつくのはエスプガルーダ、怒首領蜂大往生、式神の城U、家庭用ゲーム機(PS2)専用ではグラディウスX、R-TYPE FINALくらいか。最近とはいうもののこの中で今年出たものは少ない。

 今書いた中で私の好きなのはグラディウスやR-TYPEで、弾幕シューティングは得意じゃない。ではグラディウスやR-TYPEが得意なのかというとそういうわけじゃないんだが。ノーコンティニューでクリアできるゲームなんてほとんどない。下手の横好きというやつだ。

 ただ、コンティニューの回数が違う。グラディウス等の様々な仕掛けを次々と突破していくタイプのものは、何回かコンティニューすれば私のようなヘタレシューターにもエンディングを拝ませてくれる。

 弾幕シューティングは一番簡単なモードを、自機を最大数にしてコンティニューしまくってクリアしてあっという間に飽きちゃう。

 あの恐るべき量の弾の間をすり抜けていく快感を味わうのが正しい遊び方なんだろうが、完全にマニア向けだと思う。私のようなド素人でも努力すれば2、3回のコンティニューでクリアできるくらいの難易度を用意してくれないと、とてもじゃないが挑戦する意欲が湧かない。

 で、最近PS2でエスプガルーダが出たけど買っていない。今までビッグタイトルが出れば欠かさず買っていたのに、だ。大往生は買ったが、あれよりさらに弾の量が増えているようなのだ。

 私には「マニアの人だけ買ってくれればいいよ」という姿勢だとしか思えないんだが、たぶん売れているのだろう。

 大往生はゲームをやった回数より神わざプレイを収録したおまけのDVDを見た回数の方が多い。おまけDVDのために買ったようなものだ。

 メーカーから出るゲームはRPGが多く、シューティングは少ない。が、フリーソフトでは逆にRPGは少なく、シューティングが圧倒的に多いと思う。ではフリーソフトにシューティングの未来があるのかというとそうでもない。単に作りやすくてそこそこ面白いから多いだけだ。作りやすさでいえばカーレースやブロック崩しやテトリスの方が簡単だが、面白さは少ない。

 フリーソフト作家がなぜ仕掛けを突破するタイプでなく弾幕タイプを作りたがるかというと、理由は二つあると思う。一つは、弾幕タイプの方が作りやすいからだ。弾幕タイプは敵と弾だけだが仕掛けタイプはこれに壁(地形)と仕掛けが加わる。弾幕タイプはただひたすらプレイヤーの動体視力に頼るが、仕掛けタイプは覚えゲーでなければならない。最初は抜けるのが難しいけど、抜け方を覚えてしまえば簡単、というものだ。そういう仕掛けを考え出すには発想力がいる。つまり仕掛けタイプの方が技術力も発想力もいる。

 もう一つの理由は今の流行が弾幕タイプだからだ。ものすごく苦労して作ったのにウケないんじゃ誰も仕掛けタイプなんか作りたがらない。

 こうして似たような弾幕シューティングががんがん増えていき、ユーザーはカスリが熱いとか得点アイテムが大量に降ってきて派手だとかいう細部にこだわるようになり、シューティングはどんどんマニア化していくというわけだ。

 きっと初代R-TYPEのような革新的なアイディアが出てこないとシューティングはさらに先細っていくんだろうと思う。


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