実行ファイルの作成 |
作ったプログラムをそのまま自分のサイトに置いたり、Vectorに登録したりして配布するわけにはいきません。HSPをインストールしてあるパソコンでしか遊べないからです。単独で動作するファイルに変換する必要があります。これを実行ファイルと言います。そうすることで、HSPをインストールしていないパソコンでも実行できます。これに対して、変換する前のプログラムをソースファイル(ソースプログラム、ソーススクリプト、あるいは単にソース)と言います。
THE SHOOTERを例にして実行ファイルの作り方を説明します。
1.実行ファイルを作る |
普通は、必要なファイルを1つのフォルダにまとめ、それを圧縮したものをサイトに置きます。そこで、どこでもいいのでフォルダを1つ作ります。名前はゲーム名を連想しやすいものがいいです。ここでは、そのまま"theshooter"とします。
THE SHOOTERのソースに説明書を追加したものを置いておきます。
[ソースをダウンロード] まず、ソースが入っているフォルダの中身を実行ファイル作成用フォルダにコピーします。
sourceフォルダの中身を全部theshooterフォルダにコピーします。以降の作業はtheshooterフォルダで行います。
theshooter.hspをダブルクリックしてHSPスクリプトエディタを開き、メニューから「HSP」→「実行ファイル自動作成」を選びます。"hsptmp.exe"というコーヒーカップのマークの実行ファイルができます。
これも、ゲーム名を連想しやすい名前の方がいいです。"theshooter.exe"に名前を変更します。
実行ファイルに変換するとHSPのシステムがなくても実行できると書きましたが、拡張プラグインを使っている場合、そのDLLだけは必要です。実行ファイルと同じフォルダに置きます。そこで、hmm.dllをtheshooterフォルダにコピーします。
2.アイコンを変える |
実行ファイルのアイコンは好きな絵に変えることができます。もちろんコーヒーカップのままでも構いません。
絵を変えるには、まずアイコン用の絵のファイルを用意し、それをアイコンファイル(〜.ico)に変換します。そして実行ファイル中に含まれているコーヒーカップのアイコンのデータを、そのアイコンのデータに置換します。
絵をアイコンファイルに変換するツールはたくさんあります。例えばVectorだと「ソフトライブラリ」→「アミューズメント」→「アイコン」→「アイコン用ユーティリティ」のカテゴリにいろいろありますので、良さそうなのを選んで使って下さい。ここでは、「画像の表示」の所にも書いたALFARを使います。
ALFARのメニューから「ファイル」→「パレット付きで開く」でtheshooterフォルダの下のgraphicsフォルダの中の"size32.bmp"を開きます。この中の、左端にある自機の絵を使うことにします。
自機だけを抜き出すには、「ファイル」→「新規作成/サイズ変更」を選び、幅、高さに32と入力し、「サイズ変更」をクリックします。これで左端の32×32ドットの領域(つまり自機の絵)だけが残ります。使いたい絵が他の位置にある場合は、左上端にコピーしてから同じように操作すればいいです。
「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリックします。「名前を付けて保存」画面でtheshooterフォルダに移動します。ファイル名はそのままで、「ファイルの種類」を「アイコン(*.ico)」に変えて「保存」をクリックします。
ストックウィンドウをクリックして透明色を指定するようメッセージが表示されるので、ストックウィンドウの黒い所をクリックします。
「256色」をクリックします。これでアイコンファイル(size32.ico)ができます。
実行ファイルのアイコンデータを書き換えるツールもいろいろありますが、ここではHSPTVで紹介されているLet's HSPIC!を使います。「HSP関連 自作ソフト」よりダウンロードしてください。
別途リソースエディタResource Hackerの日本語版が必要になります。ページ最下部の"Resource Hacker translations:"の"Japanese:"をダウンロードしてください。
以下、lhspic.txtの指示に従ってください。
Let's HSPIC!を起動します。
ウィンドウ上で右クリックすると、ポップアップメニューが表示されるので、「リソースエディタのパス...」からリソースエディタ本体である"ResHacker.exe"を選択してください(初回起動時のみ必要)。
「実行ファイル」に"theshooter.exe"を、「アイコンファイル」に"size32.ico"をドラッグします。
"Change"をクリックすると書き換わります。
3.いらないファイルを削除する |
必要なものは実行ファイル(theshooter.exe)、graphics、sound、figフォルダ(figフォルダはReadme.htmlに表示する絵を入れたフォルダです)、DLL(hmm.dll)、説明書(Readme.html)です。ソースファイル(theshooter.hsp)、実行ファイルを作る時にできた一時ファイル(hsptmp、packfile、start.ax)、アイコンファイル(size32.ico)はいらないので削除します。アイコンファイルは後でバージョンアップした時のことを考えてどこか別の所にとっておいてもいいかもしれません。
4.フォルダを圧縮する |
theshooterフォルダを圧縮します。大抵の人は圧縮解凍ツールをすでにインストール済みだと思います。.zip形式か.lzh形式にするのが一般的です。
なお、以上の説明中にあるツールの操作方法は、以下のバージョンのものを前提にしています。ツールのバージョンによっては細かい所が異なる可能性があります。