このページには、1997年から書いてきた小説を置いています。SFと恐怖がメインです。お笑いもあります。

 1998年12月以降のものは、主にAWC(アマチュアライターズクラブ)に投稿したものです。それより前のものは、Nifty Serveに投稿したものです。AWCで賞を頂いた小説には【お勧め】 のマークをつけています。


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ショートショート

マカジャ・ハーンの呪い (1997.3.3 初版)
(2010.1.31 改稿)
 私はこれからあなたに術をかけたいと思う。
痒い話 (1997.8.8 初版)
(2009.12.5 改稿)
 SF界の草分けにして重鎮である緒方先生は、むしろホラー小説での評価が高い。そんな緒方先生を訪ねたのは、暑さの厳しい八月初めのことだ。
遺書 (1997.8.10 初版)
(2009.12.13 改稿)
 俺、仁科良平は、今までにいくつかのつまらない文を書いてきた。それがいかにくだらない、意味のないものであったかを悟ったのは、つい最近のことだ。おそらくこれが最後の文章となるだろう。
過去を映す鏡 (1997.8.14)  葉二は、納屋の中にいた。祖母がいなくなった今、もはや鏡を見ることを禁ずる者はいな い。そうすると、あの鏡が見たくてたまらなくなってきたのだ。
爆弾を探せ (1997.8.15) 「スベテク君……スベテク君……」
 誰だ、君は。
「私は"先住民"だ。君達がいる星は、元々私達のものだ。もうそろそろ返してほしいのだ」
 待ってくれ、何のことだ。
まぶしいほどに青い空 (1997.8.18)  それは、素晴らしい体験だった。どんよりとくもって見えた空は晴れわたり、全てが活気に満ち、小鳥達は愛の歌をうたった。
 (1997.8.19) 「ふり返っちゃだめよ。走って!」
 姉と僕は真っ暗な道を走っていた。後ろからは、銀色の宇宙服みたいなものを着た怪物が追いかけてきていた。両側が金網のフェンスに囲まれた一本道だった。
俺が犯人だ (1997.8.23)  猛吹雪に閉ざされ、密室状態と化したペンションで起こった連続殺人事件。
 一体誰が犯人なのか?
 その難問に、己の全知能を注いでいた。三人のうち二人は。
ロボットの品質 (1997.8.25)  今日は、納期に遅れに遅れてやっと完成した製品、「AZ-08」の品質判定会議だ。
 これで合格の判定をもらわなければ、製品を出荷してはいけない決まりになっているのだ。
パラダイス3 (1997.9.22)  核戦争によって、地球は死の星と化した。生き残った数少ない人々は、地球と決別する決意を固めた。
憎悪 (1997.9.24)  それは、全く不思議な感覚だった。眠っているのか、起きているのか、よく分からない。真っ暗闇の中、催眠者の声が頭のはるか上の方から聞こえてくる。
オチ (1997.9.26) 「あ、ど、どうも。作家の沢田といいます」
 どぎまぎしながら微笑みかけたが、矢吹氏は無表情で、しかも遠くを見るような目つきで私の顔を見るのだった。
ワープ (1997.9.27) 「もちろん、変換が必要ですよ。じゃあ、分かり易いように三次元と二次元の関係で説明しましょう。例えば、テレビの画面は二次元だと言えますよね。課長がそこに入りたいと思ったら、カメラで撮って、テレビに映ればいいんです。それで、二次元に入ったことになります」
人類代表への拷問 (1997.9.27) 「苦しいかね?」
 頭の中で声がする。
「私達としてもこれ以上こんな事を続けたくないのだよ、人類代表。ぜひとも条件をのんでほしい」
時計男とアル中男 (1997.12.23)  時計男とは敏夫が勝手に名付けた名前である。なぜならそいつは、首から下は人間だが、顔は時計だったからである。
最後の大魔術 (1998.1.17)  ついに完成した最新鋭都市、「ニューエイジ二十二」の完成記念パーティーには、議員や、財界の大物や、その他多くの人々が集まっていた。
血に飢える (1998.1.17)  真っ暗なトンネルの中、美少女がニッコリ微笑み、次の瞬間私の首にガブリとかみついた。
 ……ああ、あれが夢であってくれたなら。
吸血鬼 (1998.1.17) 「待てっ!」
 一人の男が走ってきて、彼女の肩をつかむ。
「見つけたぞ、このドラキュラ女!」
巨大宇宙船 (1998.1.17)  私の名はトム・ブラウン。私は今、カリフォルニア上空に出現した巨大な菱形(正確には、正八面体)の物体に、ヘリコプターによって接近しつつある。
ポイ捨てはやめましょう (1998.2.21)  男は車をとばしていた。ゴキゲンな音楽を聞きながら、ジュースを飲む。
「ゴク、ゴク、ゴク、ンハァーッ!」
嘘をつき過ぎないようにしましょう (1998.2.21)  私は散歩の途中で、変なものを見つけた。棒が横向きになって宙に浮いているのだ。
不幸の手紙 (1998.2.21)  貧乏な男は指輪・宝石店へと急いでいた。彼のズボンの後ろポケットには貯金の大半が入っている財布があった。
「今日こそ彼女にプロポーズするぞ」
タイムマシン (1998.2.21)  二〇〇一年、ついにタイムマシンは完成した。
昏睡 (1998.4.5) 「脳波がな……つまり、その、ずっとレム睡眠の状態が続いてるんだ。時々それより深い睡眠に入ることもあるんだが、ほとんどがその状態だ。 おかしいだろ? なあ和久井、レム睡眠の状態がずっと続くとどうなる?」
失われた過去からやって来た男 (1998.4.5)  そんな馬鹿なっ! ジャングルをさまよっていた日本兵が、戦争が終わって何年もたってから発見されたという話ぐらいだったら、僕だって知ってる。でも今頃になって日本兵の生き残りが、僕の部屋に現れるなんて!
女性恐怖 (1998.4.5)  彼女が眼を閉じ、唇を突き出してくる。
 彼はギョッとした。なぜなら彼女の眼が、彼をギロリとにらみつけたから。
 彼女の両目は閉じられている。しかし、額に現れた第三の眼が、明彦をじっとにらんでいるのだった。
舌打ち (1998.4.5)  ほうら、また。
 道ですれちがった高校生らしき男の子が、すれ違いざまに舌打ちしていった。
時計堂主人 (1998.4.5) 「これはね、ある人物の日記なんだ。中にかなり物騒なことが書いてあってね。誰にも売らないって約束でゆずってもらったんだ」
超能力論議 (1998.4.21)  超能力はあるのか、ないのか。私ははっきりという。「ある」と。
画廊 (1998.8.21)  ビルの間にポッコリと挟まったように存在する、西洋風の、瀟洒な石造りの美術館。一階よりも二階の方が大きく、まるで、でっかい箱を頭の上に載っけたように見える白い建物は、そこだけが周りの空間とは別の世界であるかのような、一種独特の雰囲気をかもしだし、見る者に不思議な違和感を与える。
ミサイル症候群 (1998.8.21)  病院のベッドの上で、彼女は叫ぶ。ごくごく平凡な、どこにでもいるような主婦、ありふれた一般市民。だが、あわれにも彼女はある一つの妄想に取りつかれたのだ。
二重身 (1998.8.21)  二重身……ドッペルゲンガー。死が近づくと現れるという、もう一人の自分。私はあの後恐怖におののいて、飛ぶようにして帰ってきたのであった。
視線 (1998.8.22) 「前の調査隊の最後の報告を知ってるか?」ブライアンは、いきなり、何の脈絡もない事を言った。
ホットケーキ (1998.8.22)  苺色と白のチェック柄のテーブルクロスの上に、一枚の白い大きめの皿が置かれている。皿の左右にはナイフと、フォーク。そして皿の上ではホットケーキが、その上に乗った四角いバターをとろかしながら、いい匂いをたてている。
 (1998.8.22)  アルフレッドは岩の表面を見つめ、なで回した。
「花こう岩ですな。どうという事はない、普通の石ですよ。これが空から降ってきたと?」
博士とパワードスーツ (1998.9.5) 「二十世紀中期にはもう、それまでの機械仕掛けのオモチャとは違う、本格的なロボットが誕生している。最初に実現したのはあなた、人間の体のどの部分だと思いますか?」
知へと至る道 (1998.9.13)  チェムリは、「知」を探究する者として、この僧院で修行を続けてきた。十年という歳月が、チェムリを青臭い、何も知らない青年から、格式ある大人へと変化させていた。
怒る男 (1998.10.31)  え? 地球から通信が届いただと? 評議会の決定だあ? フン、あのくそいまいましい委員会め。どうせまたわしを退任させるとでも言っとるのだろう!
 その通りだと!?
雪の中 (1998.12.22)  その時すでに、ちらほらと雪が舞い始めていた。雲行きも怪しかった。あの時、思い切って引き返す決断をすべきだったのだ。
 ……甘かったのだ。
星を葬る (1998.12.28)  地球から遠く離れた地で星の葬式をやることになった奇縁に驚きながらも、私は爺さんに教えられた通り、手桶で手を洗った。
高野豆腐 (1999.1.7)  ようやくのことでお寺に帰りついた小僧が藁包みを開けてみると……。
「な、ないっ!」
 豆腐が、ないのであった。きっと途中で包みから落ちてしまったに違いない。ああ、和尚様に何と言い訳しよう。
だまし絵 (1999.1.17)
【お勧め】
「なるほど、いい趣味ですな。あれは神秘的な世界です」男はテーブルの上で手を組み、眼を細めた。「作品の中に、一抹の“狂気”がある。その“狂気”が、芸術を生み出す……」
からくり人形 (1999.2.6)  御所人形、鼓笛童子、品玉人形に三番叟……。大滝氏のコレクションは、見事なものばかりである。新城氏が人形達に見ほれていると、ふいに大滝氏がぽつりとつぶやいた。
水音 (1999.2.21)  その時、突然に、私の耳に水の流れる音が聞こえた。ざーっというような、あるいはさらさらというような音、それに混じって、かすかにリーン、リーンという鈴のような音が、私の耳の底に響いてくるのだ。
入れ替わり (1999.4.3)  小説家、横田氏は、とある研究所からの帰り道、同じ小説家仲間である田所氏にばったりと出くわした。
こんな食物 (1999.5.5) 「……で、食ったのか」
「ん?」
 友人は興味津々という顔をした。
「食い物だよ。ベルノラ星の」
 (1999.6.7) 「空はいいか、健二」
 僕は答えたくなかった。空はいいか、健二、という短い言葉の中に、いろんな意味が含まれているような気がした。
雑誌の中へ (1999.9.15)  雑誌に載っているなんということもない写真や絵を、じっと見つめてしまうことがある。自分がその中に吸い込まれるような気がする。
石柱 (1999.11.6)  前の枝道で曲がるべきだったのかな。引き返そうか。私がそう思ったその時、車体ががくんと揺れた。間をあけずに、もう一度揺れた。
 アクセルを踏み込むが、前進しない。私の横では車輪が跳ね飛ばした泥水が舞っている。
停電 (1999.12.16) 「あっ」六平は驚いて天井を見上げた。
 部屋の中が、真っ暗になった。
ドアを開けると (2000.2.5)
【お勧め】
 幸夫は、そこに突然現れたものに、驚くとともに唖然とした。
「うおーっ!」
 そこには一人の男が立っていた。そいつは、かみつかんばかりの形相をして奇声をあげた。
サイコロボーイ1 (2000.4.9) 「ふん! 口の減らないやつだ。サイコロで相手を倒すんだって? どうやったらそんなことができるのか、見せてもらおうじゃないか」
サイコロボーイ2 (2000.4.9) 「それじゃあ、サイコロで決めようか。白状するか、殺されるか」
「なんだと!?」
サイコロボーイ3 (2000.4.9) 「とにかく!」
 男がいきなりテーブルをたたいたので、彼はびっくりした。自分の血流が徐々に速くなっていくのを感じる。
「これなら勝てると思った。さあ勝負しろ、サイコロボーイ」
青い世界 (2000.4.9)  電話のベルが鳴っている。きっと、また幻聴だ。私は両手で耳をふさぐ。しかし高い、耳障りな音は指の間から容赦なく侵入してくる。
ネタバレ注意 (2000.4.9)  私は映画のストーリーがさっぱり分からなかった。なぜなら、今までの筋書きをまったく覚えていなかったからである。今どの辺なのだろうか。始まったばかりか、中くらいなのか、それともエンディングに近づいているのだろうか。
意味不明の恐怖 (2000.4.9)  恐怖は論理的には実体化する。
未来 (2000.6.19)  人類はこれからどうすればいいか? 終末的状況を打開する方策は? その思考錯誤は、比較的早いうちに無駄になったようだ。
酒と涙と男と女とダンサー (2000.6.19)
【お勧め】
 人生の苦労が皺に刻まれた男は、暖簾をくぐり、曇ったガラス戸を開けた。とたんに、暖かい空気が身を包み始める。
路傍の女 (2000.8.16)  薬屋を通り過ぎた時、私は街灯の下に若い女の姿を見つけた。傘もささず、何かを待ち続けるように佇んでいる。うつむいて、長い髪に隠れて表情は分からない。
行列のできる店 (2000.9.17) 「私にも分かりません。とにかく、ここに来て出られなくなってしまう人間が、たまにいるという事です。みんな、神隠しにでもあったのだと思って、あきらめるしかないと言っています。あなたも行列ができる店を探して来たのでしょうが、たぶん無理です。ここはフランス料理のレストランですから」
バターはいかが (2000.10.29) 「だんな、ちびくろサンボの話、知ってますか?」と船員が話しかけてきたのは、アメリカに帰る大型客船の甲板で、あくびをしている時だった。
駄作 (2000.10.29) 「頭はしっかりしている。なんともないぞ」
 薬は私の体に何の影響も与えていないように思えた。
「では、『駄作』という題名で一つ書いてみろ。内容は、そうだな、今起こっていることでも書いてみるがいい」
あれ (2000.10.29)  わずか五分ほどの間に二つの生命を奪った。虫などめったに出ないのに、どうしたことだろう。単なる偶然か? それとも、あれの仕業だろうか。
おせちはどこに行った (2001.1.22)  目が覚めると二十一世紀だった。おや? さっきも同じことを考えたな。
階段 (2001.3.5)
【お勧め】
 私は振り返った。もう一度、階段をのぼらなければならないことは、分かりきっていた。
誤解 (2001.6.20)  慎重に、一段一段足をおろしていく。コンクリートの硬い音が、いやに大きく耳に響く。
 そして、私は絶望した。彼は相変わらず立っていた。
至福の時 (2001.7.16)  ――医者には、精神の、タフネスが、必要だ。
俺は時計の中 (2001.9.11)  俺の右側はガラス板だからいいが、これがもし時計だったらどうしよう。しかも左側の二倍の速さで動いているんだ。時間の流れがふたつあるんだ。そしたらもう、どっちが正しいのか分からねえ。
胃と壷 (2001.9.11)  にこやかに応対する別府ゼブルは、背の高い、がっしりとした体格の男だった。白髪をオールバックにし、これもまた白い口ひげとあごひげをたくわえている。風貌こそ変わっているが、二十年前テレビで見た手品師と同一人物であった。
早くここから出せ (2003.3.13) 「いいでしょう。もう退院しても」
 へ? と思った。あまりにもさらりと、奴が言ったからだ。
吐瀉物 (2003.3.21)  良夫の足の動きが一瞬止まる。そしてのそのそと履き替える。昔からそうだった。息子は私が言ってあげなければ、どっちのスリッパの方が暖かいかさえも分からないような子だった。でもそんな良夫が、かわいくてたまらない。
うどん (2003.6.2)  俺は自称うどん通だ。ほとんど毎日食っている。多い時には三食ともだ。俺はよく旅をする。もちろん、より素晴らしい歯ざわり、喉越しを求めてのことだ。

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短、中編

パズル洞窟 (1997.8.2)  政府に反抗したために捕まったエリック達は、パズル狂の大富豪、オルロフに売り飛ばされてしまう。彼らは様々なパズルが待ち構える洞窟に閉じ込められた。その内部は空気が薄く、一時間以内に脱出しなければ呼吸困難におちいるだ。
憂鬱な日のテレパシー (1997.10.25)  ふと目を覚ますと、僕は電車の中にいた。僕は雨の日に微熱があると、人の頭の中が読めるのだ。しかしそれは特定のパターンに限られる。相手の空想世界、相手の紡ぎ出すストーリーが読めるのだ。
遠すぎた穴 (1998.6.10)  僕らは大学の夏休みを利用して、星座を観察するためにマーシー山に登った。山中で、奇妙な穴を見つけた。なんとそれはワームホールだった。僕らが穴の向こう側に見たものとは?
仮想現実による処刑 (1998.7.12)  俺達は罪なき罪で死刑になることとなった。その手段として、仮想現実の最新システムの実験台になるはめになった。ゲームの中で死ぬと本当に死に、クリアできれば釈放されるというのだ。だがその途中でシステムが故障してしまい……。
月探訪記 (1998.11.9)  人類の文化の研究に従事する私は、地道な執筆活動によってようやく月旅行のための金を貯めることができた。スリランカからモルディブ諸島へ。その南端のガン島から軌道エレベータを登ってシャトルへ。
 ようやく着いた月に暮らす人々の様子は、地球のそれとは違っていた。
馬鹿者の罠 (1999.8.12)  天才だけが集められた惑星セトにやって来た調査官、天下鏡二(てんか きょうじ)。
 不思議な穴を見つけるのだが……。
ハレの日 (1999.9.4)  休日の山歩きで迷子になってしまった私は、地図にも載っていないような小さな村に迷い込む。
 そこで私は魂の熱くなるような祭りを経験する。私が最後に知った真実は。
時間は終わる (2000.8.6)  西暦二〇〇〇年の東京で、後にタイムマシン発明に大きく貢献することになる論文が発表されようとしていた。それを阻止しようと未来からやって来た時間犯罪者、塔多(とうだ)教授。教授を追う逃亡者狩り、奥田大智(おくだ だいち)。
 タイムマシンが発明された時、正しい時間の流れを守ることができるほど、人類は完璧だろうか?
鼻親父と豆腐の美女 (2001.10.23)  お笑い掌編集。
読者への挑戦 (2002.5.12)  あなたはこの挑戦を受けますか?
重圧箱 (2002.6.9)
【お勧め】
 目が覚めると私は記憶喪失になっていた。そこは奇怪な美術品が並ぶ家だった。誰もおらず、出口はない。唯一頼りになるのは、番号が一件だけ登録された携帯電話。だが相手の女はあいまいなヒントしか教えてくれない。
私はこういうのが怖いと思う (2002.9.3)  私は幽霊よりも、もっと自分にも起こりそうな事の方が怖いと思います。
蜜柑って知ってるか (2004.1.10)  俺は自動車で会社に行く途中だった。突如、前にいた車が女をはねた。とりあえず橋の下に運び、彼女の顔をのぞきこんだ時俺は愕然とした。これは人間じゃない。蜜柑だ!

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長編

虚空の皇帝 (1997.12.4)  三十一世紀、ヒトラーのような悪政を行っていた皇帝ゴランは、ついに人民によって追放刑に処された。それは、ブラックホールの特異点を通して未知の世界へ送られてしまうという、死よりも重い刑罰だ。彼が目覚めたのは西暦一九〇〇年頃、つまり過去であった。奇妙な偶然により永遠の命を得たゴランは、二十七世紀になるのを待った。それは歴史上最強の兵器、SDES(Star Destroyer)が発明される時期だ。
 これを手にした彼は、人類に降伏を迫る。彼の目的は過去の世界で再び頂点に立つことであった。
 元特殊部隊のエリートで、今はしがないセールスマンに過ぎないラウス・トベリバは、スパイとしてゴランの帝国に送り込まれるはめになった。果してゴランの野望を阻止することができるのだろうか?

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