私は散歩の途中で、変なものを見つけた。棒が横向きになって宙に浮いているのだ。
 片方の端は私の目の前にあるのだが、棒はとんでもなく長く、もう片方の端ははるか彼方にあって見えない。私は好奇心にかられ、棒をグイとたぐり寄せた。
 私はどんどん棒をたぐり続けたが、一向に向こうの端は現れない。私は何時間もたぐり続け、とうとう夜になった。
 私はくる日もくる日もそこに立ち、棒を引き続けた。そしてついに、向こうの端にくっついているものが姿を現したのである。
「ハ、ハークション。てめえ何てことしてくれるんだよ! おかげで俺は海を泳いできたんだぞ!」

 そこに立っていたのはズブ濡れになったピノキオだった。

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