やっぱGoogleでしょ (2005.3.25)

 この間「本サイトはトップページしか検索エンジンに登録されていない。がっかりした」という旨を書いた。気になったので、各種検索エンジンで、拙作「マカジャ・ハーンの呪い」をキーワードにして小説ページにたどり着けるか試してみた。(参考サイト:ロボット型検索エンジン攻略でアクセスアップ

検索エンジン ヒットしたか
goo
infoseek
BIGLOBEサーチ
@nifty
All About Japan
ヒットせず。
freshEYE
msnサーチ
alltheweb
AltaVista
ヒット。
Yahoo!
Google
小説ページだけでなく、エッセイにもヒット。(「小説を書くという事」にマカジャ・ハーンの呪いがどうのこうのと書いてある。)

 どうやら、普段infoseekを使っていたのが原因のようだ。即刻お気に入りから削除した。これからはYahoo!とGoogleを使う。

 そんだけ。

 ってこれじゃあ日記であってエッセイではないので、もう少し書いとこ。

 観察された限られた個数の事例から一般的な命題や法則を導き出すことを帰納推論と言う。

  • カラスは鳥である。
  • カラスは空を飛ぶ。
  • ゆえに鳥は空を飛ぶ。
 帰納推論の欠点は、もっともらしい結論を導き出せるが、真実とは限らないという点だ。ペンギンやダチョウが飛ばないことを考えれば明らかだ。学者でもこの落とし穴にはまりがちだという。

 上の例でいえば、「自分が普段使っている検索エンジンでは、自サイトのトップページしかヒットしない。よって検索で人が来ることはない」だ。実際には検索エンジンによってバラバラなのだ。

 坂本正道は著書、「体外離脱体験」の中でこんな旨を言っている。

 体外離脱や臨死体験を現代の科学の枠組みの中で説明しようとすると、かなりの部分は実は苦しいながらどうにか脳内現象として説明することができるという。しかし、どうしてもそれでは説明がつかない部分がある。95%説明ができ、5%説明がつかないのであれば、その5%に注目すべきだ。そろそろ現代の科学で説明することをあきらめて、物質以外の存在を基礎とした新しい物理学を作るべきではないか。

 私は絶対無理だと思う。すでに確立された定理を基に論理的形式のみによって結論を導き出す方式を演繹推論という。が、霊に関する確立された定理なんてものはない。すると、古代神話や宗教書を読んだり、臨死体験者に取材を行ったりして帰納推論を行うしかない。そんなことはとっくに行われているのではないか。「表現は違うが、みんな同じことを言っている。キリスト教で言われている神も、仏教で言われている仏も、臨死体験者の言う光の存在も、すべて宇宙エネルギーのことを言っているのであり、死んだらそこに帰るのだ」というのが結論ではないのか。

 ではその宇宙エネルギーというのはどんなものなのか。E=mc^2は成り立つのか? エネルギー保存則は成立するのか? 位置エネルギーは運動エネルギーに変換できるのか? 分からない。

 体から抜け出た主体がどんな構造なのか知ろうとしても、体外離脱をした人の証言はてんでバラバラだ。目だけの存在となって胴体はないと言う人、普通に手も足もあると言う人、雲のようになっていると言う人、様々だ。幽霊を見た人の証言も似たようなもんだ。足がないと言う人、普通に五体満足であると言う人、タンスの間にものすごく幅の狭い幽霊がいたと言う人、等など。そもそも、体験者、目撃者の言うことを信じるしかない。実験の対象となる具体的な物がない。

 あの世に関しては実験によって定理を導くことができない。それをしようと思ったら、科学者が自由自在にあの世とこの世を往復できなければならない。そしてそんな人はいない。あるいは、あの世に行ってアインシュタインに会ってくる、でもいいのだ。きっとアインシュタインのことだ。あの世で様々な実験を行い、法則を見出しているに違いない。

 そんな事はできない。だから死後生研究者は、現在の物理学や心理学を使ってあの世があるのかないのかを見極めようとするのだ。

 実験できることといえば、自由に体外離脱できる人を被験者にして、監視下で体から抜け出してもらい、隣の部屋の紙に書いてある数字を当ててもらうくらいだ。そしてそれはウィリアム・ジェームズの法則に当てはまってしまうのだ。

 私はどうか。私自身が死後生の研究者となり、刑務所から出所した臨死体験者を見つけ出し、インタビューする気があるかというと、ない。幽霊を見た人を嘘発見器にかけ、体験を語らせる気があるかというと、ない。私にできるのは、すでに調査研究を行っている人の本を読むことだけだ。


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